英検4級1番の空所穴埋め文法問題対策【過去問分析と完全攻略】

はじめに

英検4級の筆記試験は「リーディング」「ライティング」「リスニング」の3技能で構成されています。その中で最初に登場するのが「第1問:空所補充(文法・語彙)」です。ここでは短い英文の中に1か所空所があり、4つの選択肢から正しいものを選ぶ形式になっています。

第1問は全部で15問ありますが、**最後の3問(13~15番)**が特に文法の基礎力を直接問う問題となっており、ここを落とすと大きな失点につながります。本記事では過去問分析を通して「どんな文法が出題されるか」を整理し、さらに「文法問題(13~15番)に関してはこの記事の知識で十分対応できる基礎文法知識」を解説します。

1. 英検4級1番の出題傾向

英検4級の最初のセクションでは、文法と語彙の知識が問われます。具体的には、問題番号1番から12番までは、動詞、名詞、形容詞、副詞といった語彙力が中心に試される問題が配置されています。そして、セクションの最後にあたる13番から15番の3問が、動詞の形、助動詞、時制、代名詞、比較、進行形といった、より直接的な文法理解度を測る問題となっています。このように、多くの受験者が苦手意識を持ちやすい文法の基礎が、セクションの最後にまとめて出題される構成になっているのが特徴です。

過去10回以上の本試験を分析すると、特に出題頻度が高い文法領域が見えてきます。具体的には、動詞の形や時制(過去形、現在形、進行形、未来形)、助動詞(can, will, mustなど)、比較表現(比較級・最上級)、そして代名詞(I, me, my, mineなど)の使い分けが繰り返し問われています。さらに、進行形・継続動作(be + -ingの形)や疑問詞・接続詞(Why, When, Whichなど)も頻出項目です。これらの5~6分野をしっかり押さえれば、4級の文法問題対策は十分といえます。

2. 過去問から見る出題例と解説

ここでは、直近数年分の過去問の文法問題(13~15番)を整理し、問われている文法知識を具体的に見ていきましょう。

(A) 動詞の形・時制

動詞の形や時制を問う問題は、英検4級の定番です。例えば、2024年度第3回の問題では、「Yes. I ( 4 ate ) two hot dogs.」のように、過去の出来事を表現するために動詞の過去形を選ぶ力が試されました。同様に、2021年度第1回の「Sachiko ( 1 lost ) her camera.」でも、過去形「lost」が正解となります。これらの例からわかるように、日常的な出来事を表す現在形、昨日や過去の出来事を表す過去形、そして今まさに進行中の動作を表す進行形、これらの基本的な時制の使い分けを理解しておくことが重要です。

(B) 助動詞

助動詞も頻出の文法項目です。例えば、「Shall I ...?」という提案の表現は、2024年度第1回や2022年度第1回で出題されています。これは「~しましょうか?」と相手に提案する際に使う丁寧な言い方です。また、2020年度第2回の問題では、「May I ...?」という許可を求める表現が問われました。これは「~してもいいですか?」と丁寧に許可を得たいときに使います。その他にも、「will」は未来の行動を表す「~するつもりだ」、「must」は義務を表す「~しなければならない」といった助動詞の基本的な意味と使い方をしっかり区別して覚えておくことが大切です。

(C) 比較表現

二つのものを比べる比較表現も、英検4級では頻繁に出題されます。例えば、2024年度第2回の問題では「Jenny gets up ( 3 earlier ) than her parents.」のように、「~より…」比較的早い時間起きることを表現する力が試されました。比較級の基本的な形は、形容詞や副詞に「-er」をつけ、その後に「than」を続ける形です。また、「good」が「better」に変わるような不規則な変化をする単語もあるため、注意が必要です。最も優れたものを表す最上級の表現と合わせて、比較のルールをしっかり理解しておきましょう。

(D) 代名詞の使い分け

代名詞は、文の中で人や物を指し示す言葉です。英検4級では、文のどの位置で使われるかによって形が変わる代名詞の正しい使い方を理解しているかが問われます。例えば、2024年度第2回の問題では「No, it isn't ( 4 mine ).」のように、「私のもの」を意味する「mine」を選ぶ必要がありました。また、2021年度第2回の「My father brought ( 2 me ) by car.」では、動詞の目的語として「私を」を意味する「me」が正解です。このように、「I, me, my, mine」や「we, us, our, ours」など、主語になる形、目的語になる形、所有を表す形をそれぞれ正確に使い分ける練習が不可欠です。

(E) 進行形

「今まさに~している」という進行中の動作を表す進行形も、重要な文法項目です。be動詞と動詞の-ing形を組み合わせることで、「~しているところ」という意味を表します。例えば、2024年度第2回の問題では「Liam was ( 3 listening ) to music.」のように、過去のある時点で音楽を聴いていたことを示す過去進行形が問われました。過去進行形は、be動詞の過去形である「was」や「were」と-ing形を組み合わせることで作ることができます。

(F) 疑問詞・接続詞

質問をする際に文の先頭で使われる疑問詞も、意味を正しく理解しておく必要があります。例えば、2022年度第3回の問題では、「( 1 Which ) sport is more popular?」のように、複数の選択肢の中から「どちら」を尋ねる「Which」が問われました。また、2020年度第3回の「( 2 Why ) are you going to school?」では、理由を尋ねる「Why」が正解です。このように、「who(誰)」「where(どこ)」「why(なぜ)」「when(いつ)」「which(どちら)」といった各疑問詞が持つ固有の意味をしっかりと区別して覚えることが、正解への鍵となります。

3. 英検4級文法問題対策:これだけ覚えればOK!

英検4級の文法問題は、英語の「きほんルール」を知っているかどうかを試す問題です。ここでは、必要なルールをひとつずつ、やさしく解説します。

(1) 動詞の「時制」ってなに?

動詞は、「あそぶ(play)」や「たべる(eat)」のように、動作を表す言葉です。英語の面白いところは、「いつのことか」によって動詞の形が変わる点にあります。これを「時制(じせい)」と呼びます。例えば、「毎日サッカーをする」のように、いつもしていることであれば現在形「play」を使います。しかし、「きのうサッカーをした」のように、もう終わったことであれば過去形「played」に変わります。さらに、「あしたサッカーをするつもり」と、これからのことであれば未来形「will play」となり、「いまサッカーをしている」のなら進行形「am playing」を使います。特に過去形では、動詞の最後に「-ed」をつけることが多いですが、「go」が「went」に、「eat」が「ate」に変わるような特別な形もあるので、注意が必要です。テストで「yesterday」や「last night」といった過去を示す言葉を見つけたら、それは過去形を使うヒントになります。

(2) 助動詞(じょどうし)

助動詞は、動詞の前に置くことで文に特別な意味を加える「助っ人」のような言葉です。例えば、「できる」という意味の「can」を使えば、「I can swim.(わたしは泳げます)」のように、自分の能力を表現できます。また、「しなければならない」という強い義務を表す「must」や、「~するつもりだ」と未来の予定を話すときに使う「will」も頻繁に登場します。さらに、丁寧に許可を求めたいときには「May I use your pen?(ペンを使ってもいいですか?)」のように「may」を、相手に「~しましょうか?」と提案したいときには「Shall I open the window?(窓を開けましょうか?)」のように「shall」を使います。大切なルールとして、これらの助動詞の後には、必ず動詞の元の形(原形)が来ることを覚えておきましょう。「will go」や「can play」のように、セットで覚えるのがおすすめです。

(3) 比較級・最上級

「くらべる言い方」も、英検4級でよく問われる大切なルールです。二つのものを比べて「~より…だ」と言いたいときには、「比較級」を使います。例えば、「Tom is taller than Ken.」は「トムはケンより背が高い」という意味になります。多くの場合、形容詞に「-er」をつけることで比較級の形を作ることができます。一方で、三つ以上のものを比べて「いちばん…だ」と言いたいときには、「最上級」を使います。「Tom is the tallest in his class.」のように、形容詞に「-est」をつけ、前に「the」を置くのが基本の形です。ただし、単語によっては「good」が「better」や「best」に変わるような特別な変化をするものもあるので、これはそのまま覚えてしまいましょう。

(4) 代名詞(I, me, my, mineのちがい)

人や物を指す言葉である「代名詞」も、英語の重要なルールの一つです。特に英検4級では、文の中での役割によって形が変わる点に注意が必要です。例えば、「わたし」を表す代名詞には4つの形があります。文の主役である主語になるときは「I」を使い、「I am Naoki.」のように表現します。動詞の後に来て「私を」や「私に」という意味を表すときは「me」になり、「Please help me.」のように使います。そして、「私の~」と何かを所有していることを示したいときは、名詞の前に「my」を置いて「This is my book.」とします。最後に、単独で「私のもの」と言いたいときには「mine」を使い、「This book is mine.」のように表現します。この「I, me, my, mine」の使い分けと同じように、「he, him, his」や「we, us, our, ours」といった他の代名詞も、文の中での役割に応じて正しく使い分ける練習をしておきましょう。

(5) 進行形

「いま、ちょうど~しているところ」という、現在進行中の動作を表すのが「進行形」です。作り方はとてもシンプルで、be動詞(am, is, are)と動詞の-ing形を組み合わせるだけです。例えば、「I am studying.」で「私は勉強しています」という意味になります。過去のある時点で「~していました」と言いたい場合は、be動詞を過去形の「was」や「were」に変えるだけで、「I was sleeping.(私は寝ていました)」のように過去進行形を作ることができます。

(6) 疑問詞

質問をするときに使うのが「疑問詞」です。これは文の最初に置くことで、「何?」「誰?」「どこ?」といった知りたいことを尋ねる魔法の言葉です。例えば、「What is this?」と聞けば「これは何ですか?」と物の名前を尋ねることができますし、「Who is that man?」と聞けば「あの人はだれですか?」と人物について尋ねることができます。他にも、「Where(どこ)」「When(いつ)」「Why(なぜ)」「Which(どちら)」といった疑問詞があり、それぞれが持つ意味をしっかり覚えて、使いこなせるようになりましょう。

まとめ

これまでの解説で、英検4級の文法問題を解くために必要な知識は、かなり身についたはずです。動詞が「いつのことか」によって形を変える「時制」のルール、文に豊かな表現を加える「助動詞」の使い方、そして物事を比べる「比較級・最上級」の作り方。さらに、文中での役割によって形が変わる「代名詞」の使い分けや、進行中の動作を表す「進行形」、質問の幅を広げる「疑問詞」まで、重要なポイントをひと通り学びました。これらの「きほんルール」をしっかりマスターすれば、英検4級の文法問題はもう怖くありません。

ここまでの文法をぜんぶ理解していれば、英検4級の文法問題(13~15番)は必ず解けます!そして練習するときは、必ず声に出して、友達に質問したり、家で自分で英文を作ってみるのがおすすめです。

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