英検2級の要約問題が苦手な人へ。高得点を狙える要約の書き方3ステップと減点されないための注意点
はじめに
2024年度からリニューアルされた英検。特に2級を受験する多くの学習者を悩ませているのが、ライティングセクションに新たに追加された「要約問題」ではないでしょうか。「150語ぐらいの英文を、わずか45~55語にまとめるなんて無理…」「どこを削って、何を残せばいいのか分からない」「そもそも、どうやって勉強すればいいの?」といった声が数多く聞かれます。
この新しい形式の問題は、単語力や文法力だけでなく、文章の要点を正確に読み解く読解力、それを自分の言葉で簡潔に表現し直す構成力と表現力が問われる、総合的な英語力が試される課題です。対策が不十分なまま本番に臨むと、大きな失点につながりかねません。
しかし、心配する必要はありません。要約問題は、正しいアプローチと適切なトレーニングを積めば、誰でも安定して高得点を狙える「得点源」に変えることが可能です。
本記事では、英検協会の公式情報のみに基づき、要約問題が苦手だと感じている方々に向けて、以下の点を徹底的に解説します。
- 要約問題の正確な出題形式と、評価される4つの採点基準
- 高得点を狙うための、具体的で再現性の高い「要約の書き方3ステップ」
- 多くの受験生が陥りがちな「減点・0点対象となる5つの落とし穴」とその対策
この記事を最後まで読めば、あなたは要約問題に対する漠然とした不安から解放され、自信を持って解答を作成するための明確な指針を手に入れることができるでしょう。さあ、一緒に要約問題を得意分野に変えていきましょう。
第1章:英検2級「要約問題」の全体像を掴む
効果的な対策を立てるためには、まず敵を知ることが不可欠です。この章では、2024年度から新しく導入された要約問題が「どのような問題」で、「どのように評価されるのか」という全体像を、英検協会の公式情報のみに基づいて正確に把握します。
1-1. どのような問題か?(出題形式)
2024年度の英検リニューアルに伴い、2級のライティングセクションは従来の「意見論述問題」1題から、「要約問題」と「意見論述問題」の2題構成へと変更されました[1]。新しく追加された要約問題は、大問4として出題されます。
具体的な指示は以下の通りです。
● 以下の英文を読んで、その内容を英語で要約し、解答欄に記入しなさい。
● 語数の目安は45語~55語です。
● 解答が英文の要約になっていないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。[1]
つまり、約150語程度の英文パッセージを読み、その内容を3分の1程度の長さ(45~55語)の英語で要約するという課題です。ここでは、この形式に沿って作成したオリジナルのサンプル問題を見てみましょう。
【オリジナルサンプル問題】
- テーマ: リモートワークの普及とその影響
- 元の英文(159語):
Remote work has become common in many companies in recent years. This change is possible because technology is better, and people now think differently about how to work well. Many jobs can be done online, so workers do not always need to go to the office.
For companies, letting people work from home can lower costs. They can spend less on big offices, electricity, and fixing equipment. They can use the saved money for research or advertising. Remote work also helps employees. Without a long trip to work, they save time and money and feel less stress. Flexible hours make it easier to balance work and family. Many people say they feel more satisfied and motivated, so their work often improves.
However, remote work has problems. Some workers feel lonely and miss talking with others face-to-face, which can hurt their mental health. Also, managers find it difficult to lead teams and communicate clearly when everyone works from different places.
この問題からわかるように、要約問題では、あるトピックに関する複数の側面(この場合は普及の背景、企業と従業員のメリット、デメリット)が提示され、それらをバランス良くまとめて簡潔に説明する能力が求められます。
1-2. どう評価されるのか?(採点基準)
要約問題の解答は、意見論述問題と同様に、内容、構成、語彙、文法の4つの観点から採点されます。各観点は段階的に評価され、合計16点満点となります[2]。高得点を獲得するためには、これら4つの観点すべてでバランス良く得点することが重要です。
以下に、英検協会が公式に示している各観点の評価ポイントとアドバイスをまとめます[2]。
観点 | 評価のポイントと公式アドバイス |
内容 | 課題で求められている内容(元の英文の要点)がすべて含まれているか。 アドバイス:元の英文の主要なポイントをすべて盛り込み、それらを正確に反映させる必要があります。一部の側面に偏ったり、重要でない詳細を含めたりすると減点対象となります。 |
構成 | 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか。 アドバイス:伝えたい情報の流れや展開を示す接続詞(例: However, Therefore)などを効果的に使い、文章全体の構成を分かりやすくする必要があります。 |
語彙 | 課題に相応しい語彙を正しく、かつ多様に使えているか。 アドバイス:同じ単語や表現の繰り返しを避け、文脈に合わせて多様な語彙を適切に使うことが求められます。元の文章の単語を適切に言い換える(パラフレーズする)能力が評価されます。 |
文法 | 多様な文構造を正しく使えているか。 アドバイス:同じような形の文の繰り返しは避け、多様な文のパターン(例: 動名詞主語、関係代名詞)を正確に使い、表現の幅広さを示すことが求められます。 |
これらの基準から、要約問題は単なる「短縮作業」ではなく、読解力、構成力、語彙力、文法力を駆使して、質の高い英文を新たに作成するクリエイティブな作業であることがわかります。
第2章:高得点を狙える!要約の書き方3ステップ
英検2級の要約問題で高得点を獲得するためには、単に英文を短くするだけでは不十分です。出題者の意図を汲み取り、採点基準を意識した上で、論理的で簡潔な要約文を作成する技術が求められます。ここでは、そのための具体的で再現性の高い方法を3つのステップに分け、前章のオリジナルサンプル問題(リモートワークの普及とその影響)を例に解説します。
ステップ1:文章の骨格を見抜く「要点抽出」
要約の第一歩は、元の英文が「何を言いたいのか」という中心的なメッセージ、つまり骨格を見抜くことです。約150語の文章から、最も重要な部分だけを効率的に抜き出す作業が「要点抽出」です。
目的
このステップの目的は、後のステップで肉付けを行うための「核」となる情報を特定することです。具体例や装飾的な表現を削ぎ落とし、文章の論理的な流れを構成する主要な主張だけを拾い上げます。
方法
- 全体の速読とトピックの把握 まず、文章全体を一度速読し、「何についての文章か」という全体像(トピック)を掴みます。サンプル問題の場合、「リモートワークの普及とその多面的な影響」がトピックであるとすぐに理解できます。
- 各パラグラフの「中心文」の特定 英語の論理的な文章では、多くの場合、各パラグラフにその段落の要点を凝縮した**「中心文(トピックセンテンス)」が存在します。中心文は、段落の最初の一文、または最後**の一文に置かれることが一般的です。サンプル問題で見てみましょう。
- 第1パラグラフ: 冒頭の Remote work has become common in many companies around the world in recent years. が中心文です。このパラグラフは「リモートワークの普及とその背景」について述べています。
- 第2パラグラフ: 冒頭の For businesses, working from home can reduce costs. が中心文です。この段落は「企業と従業員にとってのメリット」について述べています。
- 第3パラグラフ: 冒頭の However, remote work has challenges. が中心文で、「課題・問題点」を示し、最後に「将来の展望」も含んでいます。
- 「抽象的な主張」と「具体的な説明」の区別 要約に含めるべきは、筆者の意見や主張といった**「抽象的な情報」**です。一方で、その主張を補強するための具体例(large offices, electricity, and equipment careなど)は、原則として要約には含めません。文章を読みながら、どちらの情報かを意識的に区別し、抽象的な主張に印をつけることが効果的です。
- キーワードとキーフレーズのメモ 各パラグラフの中心的な主張を特定したら、その内容を表すキーワードやキーフレーズを簡潔にメモします。これが次のステップの設計図になります。
- 普及の背景: 技術の進歩、新しい働き方の考え方
- 企業のメリット: コスト削減
- 従業員のメリット: 時間・お金の節約、ストレス軽減、満足度向上
- デメリット: 孤独感・精神的健康への影響、管理・コミュニケーションの困難
ステップ2:自分の言葉で再構築する「言い換え(パラフレーズ)」
要点抽出が完了したら、次はその要点を基に、指定された語数(45~55語)で、かつ自分の言葉で要約文を再構築します。この「言い換え(パラフレーズ)」の技術こそが、要約問題の評価を大きく左右する重要なポイントです。
目的
このステップの目的は、元の文章の表現をそのまま書き写すのではなく、語彙や文法の知識を駆使して、内容を維持したまま異なる表現で文章を再構成することです。これにより、「語彙」と「文法」の観点での高評価を狙います。
方法
- 論理的な順序での要点の整理 ステップ1で抽出した要点を、元の文章の論理的な流れ(普及の背景→メリット→デメリット→将来性)に沿って並べます。
- 語彙の言い換え 元の文章で使われている単語や熟語を、意味の近い別の言葉(類義語)に置き換えます。
- become common → spread / grow
- better technology → technological advances
- reduce costs → cost savings / save money
- higher satisfaction → increased satisfaction / better work-life balance
- challenges → problems / difficulties
- feel lonely → loneliness / isolation
- trend will likely continue → expected to continue growing
- 文構造の言い換え 同じ文法構造の繰り返しは避け、多様な文のパターンを用いることを意識します。例えば、元の文章の複数の文を、分詞構文や関係代名詞を使って1文にまとめることで、より洗練された印象を与え、文法力を示すことができます。
- 接続詞の効果的な使用 抽出した要点をただ並べるだけでは、論理的なつながりが分かりにくくなります。サンプル問題ではメリットとデメリットの対比が明確なため、However(逆接)や Despite(譲歩)といった接続詞を効果的に使い、文と文の関係性を明確にすることで、「構成」の観点での評価が高まります。
ステップ3:満点を仕上げる「語数調整と最終チェック」
要約文の草稿が完成したら、最後はそれを洗練させ、満点を目指すための最終調整を行います。指定された語数に収め、ケアレスミスをなくすための重要なステップです。
目的
このステップの目的は、作成した要約文が、英検2級の採点基準のすべての項目(内容、構成、語彙、文法)を満たしているかを確認し、完成度を最大限に高めることです。
方法
- 語数調整 まず、完成した要約文の語数が45語~55語の範囲に収まっているかを確認します。
- 語数が多すぎる場合: 不要な修飾語(副詞や形容詞)を削る、より簡潔な単語に置き換える(例: a large number of → many)、関係代名詞を使って2文を1文にまとめる、などの工夫をします。
- 語数が少なすぎる場合: 意味を補強するための形容詞や副詞を少し加える、より具体的で豊かな表現に言い換える、などの調整を行いますが、元の文章にない情報を加えてはいけません。
- 内容の最終確認 元の文章の主要なポイント(普及の背景、企業・従業員のメリット、デメリット、将来性)がすべて含まれているか、自分の意見や解釈が入っていないかを再確認します。「内容」の観点で満点を取るための重要なチェックです。
- 構成の最終確認 文章全体の流れは自然で論理的か、接続詞は効果的に使えているかを確認します。
- 語彙と文法の最終確認 スペルミスや文法的な誤り(三単現のs、時制の一致など)がないかを丁寧に見直します。同じ単語や文法表現を不必要に繰り返していないかもチェックしましょう。
【サンプル解答例】 Enabled by technology, remote work provides companies with cost benefits and employees with improved work-life balance and satisfaction. However, it poses challenges such as worker loneliness, which can affect mental health, and makes it difficult for managers to lead teams and communicate effectively. (49 words)
これらの3つのステップを意識して練習を重ねることで、誰でも英検2級の要約問題で安定して高得点を狙えるようになります。
第3章:意外な落とし穴!減点されないための重要注意点
要約の書き方の3ステップをマスターしても、思わぬところで減点されてしまっては元も子もありません。英検の採点では、明確な減点基準や、場合によっては「0点」と判断される重大なエラーが存在します。ここでは、英検協会が公式に示している注意点[2]を基に、受験生が陥りがちな5つの落とし穴と、それを回避するための具体的な対策を、オリジナルサンプル問題(リモートワークの普及とその影響)を例に解説します。
注意点1:TOPICからの逸脱【0点のリスク】
最も避けるべきは、要約が元の英文(TOPIC)の内容から逸脱してしまうことです。 解答が「英文の要約になっていない」と判断された場合、内容・構成・語彙・文法のすべての観点で0点と採点されてしまいます。これは、ライティングセクション全体で大きな失点につながるため、絶対に避けなければなりません。
具体的なNG例
元の英文が「リモートワークの普及とその影響」について述べているとします。
NG解答例: Technology has changed our society dramatically. People can now communicate instantly through smartphones and computers. This has made our lives more convenient and efficient. In the future, artificial intelligence will make technology even more advanced and useful for everyone.
(技術は私たちの社会を劇的に変えた。人々は今やスマートフォンやコンピュータを通じて瞬時にコミュニケーションを取ることができる。これにより私たちの生活はより便利で効率的になった。将来、人工知能は技術をさらに高度で誰にとっても有用なものにするだろう。)
この解答は、「技術」という関連語は含んでいますが、元の英文の核心である「リモートワーク」に限定されておらず、その「メリット・デメリット・将来性」という構造にも一切触れていません。そのため、TOPICから逸脱していると判断され、0点となる可能性が非常に高いです。
対策
- 常に元の英文に忠実に: 要約は、あくまで「元の英文に何が書かれているか」をまとめる作業です。自分の知識や背景情報を付け加えないようにしましょう。
- 全体を網羅する意識: 各パラグラフの要点(この場合は普及の背景、メリット、デメリット、将来性のすべて)を必ず含めるようにし、文章全体のメッセージを反映させることを心がけてください。
注意点2:自分の意見の追加
要約問題は、筆者の意見や主張を客観的にまとめる問題であり、あなたの意見を述べる問題ではありません。 この点は、自分の意見を論理的に述べる「意見論述問題」との大きな違いであり、混同しないように注意が必要です。
具体的なNG例
NG解答例: Remote work has both advantages and disadvantages for companies. I believe that the benefits outweigh the drawbacks because employees are happier when working from home. Companies should invest more in remote work technology to make it more effective for everyone.
(リモートワークは企業にとって利点と欠点の両方がある。在宅勤務の方が従業員は幸せなので、利点が欠点を上回ると私は信じている。企業はリモートワーク技術により多く投資し、誰にとってもより効果的にすべきだ。)
I believe ... や Companies should ... といった表現で自分の意見や提案を加えてしまうと、客観性が欠けていると判断され、「内容」の観点で減点されます。
対策
- 徹底して客観的な視点を保つ: あくまで「筆者はこう述べている」というスタンスを崩さず、自分の意見や感情を一切含めないように記述します。
注意点3:本文の丸写し
要約では、元の英文の表現をそのまま抜き出して繋ぎ合わせるだけでは高得点は望めません。これは、「語彙」や「文法」の観点で評価される**「言い換え(パラフレーズ)」**の能力が発揮されていないと見なされるためです。
具体的なNG例
元の英文に They can spend less on large offices, electricity, and equipment care. という文があったとします。
NG解答例: Remote work has become common in many companies around the world. They can spend less on large offices, electricity, and equipment care. However, remote work has challenges and some workers feel lonely.
(リモートワークは世界中の多くの企業で一般的になった。彼らは大きなオフィス、電気、設備の手入れにかかる費用を削減できる。しかし、リモートワークには課題があり、一部の労働者は孤独を感じる。)
この解答は、元の英文の表現をほぼそのまま使用しており、言い換えの努力が見られません。これでは語彙力や文法力を示すことができず、評価が低くなります。
対策
- ステップ2で学んだ言い換えを実践: 類義語を使ったり(例: spend less → cost savings)、品詞を変えたり、文の構造を変えたりして、できるだけ自分の言葉で表現する練習を日頃から行いましょう。
- キーワードはそのまま使ってもOK: ただし、remote work や communication のような専門用語や重要なキーワードなど、言い換えが難しい重要な語彙はそのまま使用しても問題ありません。重要なのは、文章全体が丸写しになっていないことです。
注意点4:内容の矛盾
要約文の中で、論理的な矛盾が生じている場合、「構成」の観点で減点対象となります。元の英文の論理構成を正しく理解し、矛盾のない要約を作成する必要があります。
具体的なNG例
NG解答例: Remote work offers many benefits to companies and employees, so some workers feel lonely and managers find it difficult to lead teams.
(リモートワークは企業と従業員に多くの利益をもたらす。だから、一部の労働者は孤独を感じ、管理者はチームを率いるのが難しいと感じる。)
メリットを述べた直後に、順接の接続詞 so(だから)を使ってデメリットにつなげるのは論理的に矛盾しています。メリットとデメリットは対比の関係にあるため、逆接の接続詞を使うべきです。
対策
- 接続詞を正しく使う: However(逆接)、Therefore(順接)、Moreover(追加)など、接続詞の持つ意味を正確に理解し、文脈に合わせて適切に使い分けることが重要です。
- 全体の論理構成を再確認: 書き終えた後、自分の要約文が元の英文の論理展開(この場合は普及の背景→メリット→デメリット→将来性)を正しく反映しているかを見直しましょう。
注意点5:説明不足
指定語数(45~55語)を気にするあまり、説明を削りすぎてしまい、結果として要約が意味不明になってしまうケースがあります。理由や主張が、その背景や説明なしに唐突に提示されると、読み手にはその重要性が伝わりません。
具体的なNG例
NG解答例: Remote work is common. It has benefits and challenges. Companies save money and employees are satisfied. There are problems. The trend will continue.
(リモートワークは一般的だ。利点と課題がある。企業はお金を節約し、従業員は満足している。問題がある。この傾向は続くだろう。)
この解答は要点を並べてはいますが、「なぜお金を節約できるのか」「どのような問題があるのか」「なぜ続くと考えられるのか」という、元の英文に書かれている因果関係が省略されているため、説明不足です。
対策
- 要点+最低限の説明: 抽象的な主張(要点)だけでなく、その主張を理解するために最低限必要な因果関係や補足説明(例: 「技術の進歩により」「コスト削減により」)は残すように意識しましょう。
- 5W1Hを意識する: 「誰が」「何を」「なぜ」そうなるのか、といった情報が欠落していないかを確認すると、説明不足を防ぎやすくなります。
これらの注意点を常に念頭に置きながら練習を積むことで、減点のリスクを最小限に抑え、安定して高得点を獲得することが可能になります。
まとめ
本記事では、2024年度からリニューアルされた英検2級の要約問題について、英検協会の公式情報のみを基に、その全体像から具体的な攻略法、そして避けるべき注意点までを詳しく解説しました。
要点を振り返りましょう。
高得点を狙うための3ステップ
- ステップ1:要点抽出 - 文章の骨格を見抜き、各パラグラフの中心的な主張を特定する。
- ステップ2:言い換え(パラフレーズ) - 抽出した要点を、語彙や文法を工夫して自分の言葉で再構築する。
- ステップ3:語数調整と最終チェック - 45~55語の範囲に収め、4つの採点基準に沿って完成度を高める。
減点を避けるための5つの重要注意点
- TOPICから逸脱しない(0点のリスク)
- 自分の意見を追加しない
- 本文を丸写ししない
- 内容に矛盾を生じさせない
- 説明不足に陥らない
新しい形式の問題に戸惑うのは当然のことです。しかし、要約問題は、決して「センス」や「感覚」だけで解くものではありません。今回ご紹介したように、明確な解法ステップと評価基準が存在します。この型に沿って練習を重ねれば、誰でも論理的で質の高い要約文を書く能力を身につけることができます。
今後の学習としては、まず英検の公式サイトにある過去問やサンプル問題を使って、この3ステップを実践してみてください。そして、日頃から英語の文章を読む際には、「このパラグラフの要点は何か?」と意識する習慣をつけることが、要約力全体の向上につながります。語彙力を強化し、様々な言い換え表現のストックを増やすことも、表現力豊かな要約を作成する上で欠かせません。
要約問題は、正しい対策をすれば、あなたの合格を力強く後押ししてくれる得点源となります。本記事が、そのための確かな一助となれば幸いです。
参考文献
[1] 公益財団法人 日本英語検定協会. (2024). 「2024年度 実用英語技能検定(英検) 問題形式リニューアルサイト」. https://www.eiken.or.jp/eiken/2024renewal/
[2] 公益財団法人 日本英語検定協会. (n.d.). 「ライティングテスト(英作文)の採点に関する観点 および注意点(1級・準1級・2級)」. https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/2016scoring_w_info.html