【英検2級特化】ライティングで8割以上を目指す!意見論述問題の完全攻略ガイド

はじめに

実用英語技能検定(以下、英検)2級の合否は、ライティングの出来に大きく左右されます。2016年度に導入されたCSEスコアシステムにより、リーディング、リスニング、ライティングの3技能(一次試験)が均等に評価されるようになって以来、ライティングの重要性は飛躍的に高まりました。特に、2024年度からは2級以上の級(2級・準1級・1級)で要約問題が追加され、ライティングセクション全体の比重がさらに増しています。

多くの受験者が「何を書けばいいかわからない」「80~100語でまとめるのが難しい」といった悩みを抱える意見論述問題。しかし、この問題は正しい型(テンプレート)と戦略を身につければ、誰でも安定して高得点を狙える「得点源」に変えることができます。

本記事では、英検2級の意見論述問題に特化して徹底的に解説します。最新の出題傾向から、すぐに使える万能テンプレート、高得点を引き寄せるフレーズ、そして具体的な学習法まで、あなたのライティング能力を合格レベルへと引き上げるためのすべてを詰め込みました。この記事を読めば、ライティングへの苦手意識は自信に変わるはずです。

なぜ2級ライティングは重要なのか?CSEスコアの仕組み

英検2級の一次試験は、リーディング、リスニング、ライティングの3技能で構成され、それぞれに650点、合計1950点満点で評価されます。合格基準スコアは1520点で固定されており、回次や受験者の出来に依存しません。

ここで重要なのは、ライティングセクションがリーディングやリスニングと同じ650点の配点を持っているという事実です。リーディングが31問、リスニングが30問あるのに対し、ライティングは要約問題と意見論述問題のわずか2問。つまり、意見論述問題1問あたりの配点が非常に大きいのです。

技能問題数CSEスコア満点
リーディング31問650点
ライティング2問650点
リスニング30問650点

この配点システムを理解すれば、ライティングで高得点を取ることが、いかに合格への近道であるかがわかるでしょう。逆に、ライティングで大きく失点すると、リーディングやリスニングで満点近く取らない限り、合格は極めて難しくなります。

意見論述問題の徹底解剖

まずは敵を知ることから始めましょう。英検2級の意見論述問題は、どのような形式で、何を評価されるのでしょうか。

問題形式

  • TOPIC: 社会性のある身近な話題について、あなたの意見を問う英文。
  • POINTS: 意見を考える上での参考となる観点(3つ)。使用は任意。
  • 語数: 80~100語(目安)。
  • 時間: リーディング・ライティング合わせて85分。ライティング(要約+意見論述)には35分程度を割くのが理想。意見論述には約20分が目安です。

4つの採点観点

解答は、以下の4つの観点から各4点、合計16点満点で採点されます。この素点がCSEスコアに換算されます。目標は12点以上(各観点平均3点)です。

なお、2級では要約問題(45~55語、2024年度から厳格指定)と意見論述問題(80~100語、目安)の2問が出題されます。

1.内容 (Content)

  • 課題で求められている内容(TOPICに対する意見と理由)が含まれているか。
    • 理由が意見を十分に支えるものであり、具体的で説得力があるか。

2.構成 (Organization)

  • 序論・本論・結論といった、英文エッセイの構成が明確か。
    • 接続詞などを効果的に使い、論理的な流れが作れているか。

3.語彙 (Vocabulary)

  • 課題に相応しいレベルの語彙を、正しく使えているか。
    • 同じ単語や表現の繰り返しを避け、多様な語彙を駆使しているか。

4.文法 (Grammar)

  • 文法的な誤りが少ないか。
    • 単文だけでなく、関係詞や分詞構文など、多様な文構造を正確に使いこなせているか。

これらの観点をバランスよく満たすことが、高得点への鍵となります。

8割を目指すための「万能テンプレート」

高得点を安定して取るためには、毎回ゼロから構成を考えるのではなく、盤石な「型」=テンプレートに沿って書くことが最も効率的です。ここでは、どんなTOPICにも対応できる万能テンプレートを紹介します。

基本テンプレート(4段落構成)

【序論】

I think that [TOPICの内容をそのまま、または少し言い換えて記述]. I have two reasons to support my opinion.

【本論①:理由1】

First, [理由1を簡潔に述べる]. For example, [理由1を具体的に説明する文].

【本論②:理由2】

Second, [理由2を簡潔に述べる]. For instance, [理由2を具体的に説明する文].

【結論】

For these reasons, I believe that [序論の主張を別の表現で繰り返す].

このテンプレートの強みは、採点観点「構成」を確実に満たせる点にあります。また、「抽象(理由)→具体(具体例)」という英語らしい論理展開を自然に実践できるため、「内容」の評価も高まります。

テンプレート活用術:過去問で実践

オリジナルの例題を使って、テンプレートの活用法を見てみましょう。

TOPIC: Many schools are considering introducing online classes as a regular part of their curriculum. Do you think this is a good idea?

POINTS: ● Convenience ● Technology ● Social skills

ステップ1:立場決定と理由出し(3分)

まず、賛成か反対かを決めます。今回は「賛成 (a good idea)」の立場で考えてみましょう。

次に、POINTSを参考に理由を2つ考えます。

  • 理由1: (Convenience) 時間や場所に制約されず、柔軟に学習できる。
  • 理由2: (Technology) デジタル技術を活用した効果的な学習が可能。

ステップ2:テンプレートに当てはめる(12分)

【序論】

I think that introducing online classes as a regular part of school curriculum is a good idea. I have two reasons to support my opinion.

【本論①:理由1】

First, online classes provide great convenience for students. For example, students who live far from school or have health issues can still participate in lessons from home without missing important content.

【本論②:理由2】

Second, technology can make learning more effective and engaging. For instance, teachers can use interactive videos, virtual experiments, and digital materials that help students understand difficult concepts better than traditional textbooks.

【結論】

For these reasons, I believe that online classes should become a regular part of modern education.

これで96語。見事なエッセイが完成しました。このように、テンプレートに従えば、誰でも論理的で説得力のある文章を時間内に作成できます。

表現の幅を広げる!高得点フレーズ集

テンプレートの骨格に、豊かな表現という肉付けをすることで、語彙と文法の評価がさらに高まります。ここでは、すぐに使える便利なフレーズを紹介します。

序論で使えるフレーズ

  • I agree/disagree with the idea that...
  • In my opinion, it is better for A to do B.
  • There are advantages and disadvantages to..., but I think the advantages are greater.

理由を述べるフレーズ

  • 理由1: First, / Firstly, / To begin with,
  • 理由2: Second, / Secondly, / In addition, / Furthermore,

具体例を挙げるフレーズ

  • For example, / For instance,
  • This is because...
  • A good example of this is...

結論を導くフレーズ

  • Therefore, / In conclusion, / For these reasons,
  • Because of these reasons, I think that...

頻出の言い換え表現

同じ表現の繰り返しは減点対象です。特にTOPICの言い換えは重要です。

  • The number of people ~ will increase.
    • → More and more people are likely to ~.
  • It is important to...
    • → It is necessary for A to do B.
    • → A should...

よくある減点ポイントと対策

多くの受験者が陥りがちなミスを知り、それを避けることが合格への近道です。

減点ポイント対策
語数不足・過多テンプレートの各部分の語数目安(序論20語、本論各30語、結論15語など)を意識する。
具体例がない「理由」の後に必ず「For example,」と続ける癖をつける。自分の経験や身近な例を考える。
TOPICからずれる質問が「Do you think...?」なのか「Is it better...?」なのかを正確に把握し、直接答える。
同じ単語の多用上記の言い換え表現をストックしておく。特に「think」「people」「good」などは要注意。
文法ミス三単現の-s、時制の一致、冠詞(a/the)など、基本的なミスをしないよう見直しの時間を確保する。

ライティング力を伸ばすための学習法

1.インプット(知識の蓄積)

  • 過去問の模範解答を最低5回分は書き写し、優れた表現や構成をストックする。
    • 環境、健康、テクノロジーなど、頻出テーマに関する基本的な単語や背景知識を整理しておく。

2.アウトプット(実践練習)

  • 時間を計り、週に1~2本はエッセイを書く練習をする。
    • 書いたエッセイは、学校の先生や塾の講師、オンラインの添削サービスなどを利用して必ずフィードバックをもらう。

3.リライト(改善)

  • フィードバックをもとに、自分のエッセイを書き直す。この「リライト」の過程で、表現力や構成力が飛躍的に向上します。

まとめ

英検2級のライティングは、決して難しいものではありません。むしろ、正しい対策をすれば最も安定して高得点を稼げるセクションです。

本記事で紹介した攻略法をまとめます。

  1. CSEスコアの重要性を理解する: ライティング1問の重みを知る。
  2. 4つの採点観点を意識する: 内容、構成、語彙、文法をバランスよく。
  3. 万能テンプレートをマスターする: 構成で迷わず、論理的な文章を自動生成する。
  4. 高得点フレーズで表現を豊かにする: 語彙と文法の評価を上げる。
  5. 実践と改善を繰り返す: インプット、アウトプット、リライトのサイクルを回す。

このガイドを手に、あなたもライティングを得意分野に変え、英検2級合格を掴み取りましょう。健闘を祈ります。

参考文献

Follow me!