英検準1級におすすめの参考書・問題集ランキング(2025年版)

はじめに

英検準1級は、大学中級程度の英語力が求められる、社会生活で求められる英語を十分に理解し、また使用することができるレベルです。合格には約7,500〜9,000語レベルの語彙力が必要とされ、2級までとは一線を画す高度な英語力が問われます。特に、語彙の難易度が格段に上がり、長文やリスニングのテーマも社会性・専門性が高くなるため、多くの受験者が「準1級の壁」に直面します。

本記事では、この高い壁を乗り越え、英検準1級に合格するために不可欠な「参考書・問題集」の選び方と、具体的な活用法を徹底的に解説します。2025年版として、最新の試験傾向、特に2024年度からリニューアルされた新形式のライティング試験にも完全対応した教材を厳選しました。単語集、過去問、ライティング、リスニング、面接対策といったカテゴリー別に、それぞれ3冊以上のおすすめ教材をランキング形式で紹介し、それぞれの特徴と効果的な学習法を詳しく解説します。この記事が、あなたの英検準1級合格への確かな道しるべとなることを願っています。

英検準1級の試験概要と2024年度リニューアル内容

まず、敵を知ることから始めましょう。英検準1級の試験形式と、2024年度からの変更点を正確に把握することが、効果的な対策の第一歩です。

試験形式の概要

  • レベル: 大学中級程度
  • 語彙数目安: 約7,500〜9,000語
  • 試験構成: 一次試験(筆記・リスニング)と二次試験(面接)

2024年度リニューアルの重要ポイント

2024年度から、英検の試験内容が一部変更されました。準1級では、ライティングの形式が大きく変わったため、特に注意が必要です。

  • ライティング問題の変更: 従来の意見論述問題(1問)に加えて、要約問題が追加され、合計2問構成となりました。与えられた英文の内容を的確に把握し、指定された語数で要約する能力が新たに問われます。
  • 試験時間: 筆記試験時間は従来どおり90分です。ただし、ライティングで取り組むべきタスクが1つ増えたため、時間配分の戦略がこれまで以上に重要になります。
  • 配点の変更: リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能すべてが各750点満点で均等化されました。一次試験(R/L/W)は2250点満点(合格基準1792点)、二次試験(S)は750点満点(合格基準512点)となっており、どの技能も落とすことのできない、バランスの取れた総合的な英語力が求められています。

英検準1級参考書・問題集の選び方

数ある参考書の中から、自分に最適な一冊を見つけ出すための3つのポイントを紹介します。

1. 自分のレベルに合っているか

準1級対策といっても、その内容は様々です。基礎から丁寧に解説する初心者向けのものから、上級者向けのハイレベルな演習問題を中心としたものまであります。まずは過去問を一度解いてみて、自分の現在の実力(特に語彙力と読解力)を客観的に把握し、無理なく取り組めるレベルの参考書から始めましょう。

2. 最新の試験形式(2024年度リニューアル)に対応しているか

前述の通り、2024年度からライティング問題が大きく変更されました。古い参考書では新形式の要約問題に対応できません。必ず最新版の参考書を選び、新形式に対応した十分な演習が積める教材を選びましょう。

3. 解説の分かりやすさと詳しさ

特に独学で合格を目指す場合、解説の質が学習効率を大きく左右します。なぜその答えになるのか、他の選択肢はなぜ違うのかが論理的に詳しく説明されている教材を選びましょう。また、自分の学習スタイルに合ったレイアウトやデザインであるかも、モチベーションを維持する上で意外と重要なポイントです。

カテゴリー別おすすめ参考書・問題集ランキング(2025年版)

ここからは、各カテゴリー別におすすめの参考書・問題集をランキング形式で紹介します。価格は2025年1月時点の公式定価を基準としています。

単語・語彙対策

準1級合格の鍵を握る最重要分野。約7,500〜9,000語という膨大な語彙を効率的に習得するための3冊です。

順位参考書名出版社価格(税込)特徴
1英検準1級 でる順パス単 5訂版旺文社1,815円過去の出題データに基づいた頻出順掲載で効率的。多くの受験者に支持される定番単語帳。
2英検準1級 文で覚える単熟語旺文社1,980円長文の中で単語を覚えるスタイル。読解力と語彙力を同時に鍛えられる。
3最短合格! 英検準1級 単熟語EXジャパンタイムズ出版1,980円単語と熟語を同時に学習。ライティングや面接で使える実践的な例文が豊富。

過去問・総合対策

試験形式に慣れ、時間配分の感覚を養うために必須の過去問。総合的な対策ができる教材も紹介します。

順位参考書名出版社価格(税込)特徴
12025年度版 英検準1級 過去6回全問題集旺文社2,530円最新の試験傾向を掴むための必須アイテム。新形式のライティング問題も収録。
2英検準1級総合対策教本 改訂版旺文社2,420円4技能すべての要点を網羅。基礎から学びたい人や、各技能をバランス良く伸ばしたい人向け。
3世界一わかりやすい 英検準1級に合格する過去問題集KADOKAWA2,420円人気講師による丁寧な解説が魅力。特に読解問題の解説が秀逸で、解法のプロセスが学べる。

ライティング対策

リニューアルで重要性が増したライティング。要約問題と意見論述問題の両方をしっかり対策できる教材を選びましょう。

順位参考書名出版社価格(税込)特徴
1最短合格! 英検準1級 英作文問題 完全制覇ジャパンタイムズ出版1,980円豊富な模範解答と表現集で、実践的なライティング力が身につく。新形式の要約問題にも対応。
2英検分野別ターゲット 英検準1級ライティング問題旺文社1,760円豊富な練習問題で、様々なトピックに対応できる応用力を養成。
3英検準1級ライティング大特訓Jリサーチ出版1,980円基礎から応用まで段階的に学べる構成。アイデアの出し方から構成の作り方まで丁寧に解説。

リスニング対策

社会性の高いテーマや、長めの会話・ナレーションに対応するための集中力と情報処理能力を鍛える教材です。

順位参考書名出版社価格(税込)特徴
1英検分野別ターゲット英検準1級リスニング問題 改訂版旺文社2,310円豊富な問題量で徹底的にトレーニング。シャドーイングやディクテーションの練習にも最適。
2最短合格! 英検準1級 リスニング問題 完全制覇ジャパンタイムズ出版2,200円先読みのコツや聞き取りのポイントなど、実践的なテクニックが満載。
3英検準1級 集中ゼミ旺文社1,760円総合対策書ながら、リスニングパートの解説が充実。短期間で弱点を克服したい人向け。

面接対策

4コマ漫画のナレーションや社会的なトピックに関する質疑応答など、準1級特有の面接形式に特化した対策が必要です。

順位参考書名出版社価格(税込)特徴
1英検準1級 面接大特訓Jリサーチ出版2,200円豊富な予想問題と模範解答を収録。面接の流れや評価のポイントが詳しくわかる。
214日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題旺文社1,540円短期間で集中して対策できる構成。付属のDVDとCDでリアルな面接シミュレーションが可能。
3最短合格! 英検準1級 英作文問題 完全制覇ジャパンタイムズ出版1,980円ライティング対策と同時に面接で使えるネタや表現をストックできる。

各参考書の詳細レビューと効果的な使い方

ランキングで紹介した参考書の中から、特におすすめのものをピックアップし、より詳細なレビューと効果的な使い方を解説します。

単語・語彙対策

1位:英検準1級 でる順パス単 5訂版(旺文社)

【特徴】 英検対策の単語帳として、長年にわたり多くの受験者に利用されている定番の一冊。過去の膨大な試験データを分析し、実際に出題された単語を「でる順」に掲載しているため、学習の優先順位が明確になります。A(最重要単語)、B(重要単語)、C(応用単語)とレベル分けされており、自分のペースで着実にステップアップできます。

【効果的な使い方】 無料音声アプリ「英語の友」の活用が合格への鍵です。単語と訳を1対1で覚えるのではなく、必ず例文の音声を聞き、単語が文中でどのように使われるのかを体感しながらインプットしましょう。通学・通勤時間などのスキマ時間に音声を聞き流すだけでも効果があります。さらに、音声に続いて発音するシャドーイングを実践すれば、リスニング力とスピーキング力の向上にも繋がります。1日に100単語など、自分で決めた量を毎日欠かさず、何度も繰り返すことが記憶に定着させる最も効果的な方法です。

過去問・総合対策

1位:2025年度版 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)

【特徴】 最新の試験傾向を掴み、本番のシミュレーションを行う上で定評のある教材です。2024年度リニューアル後の新形式問題を含む、直近6回分の過去問を完全収録。別冊の解答・解説は、正解の根拠だけでなく、不正解の選択肢がなぜ違うのかまで丁寧に説明されており、独学でも深く理解できます。

【効果的な使い方】 最低でも3周は繰り返しましょう。1周目は、まず本番と同じ90分の時間制限で解き、現在の実力と弱点を把握します。2周目は、時間を気にせず、解説をじっくり読み込みながら、一問一問を完璧に理解することに努めます。特に、ライティングの要約問題は、解答例を参考に、どのような構成で、どのような表現を使えば良いのかを分析しましょう。3周目は、再び時間を計って解き、時間配分の感覚と解答の精度が向上しているかを確認します。Web特典の面接シミュレーションも活用し、一次試験対策と並行して二次試験の準備も進めるのが理想的です。

ライティング対策

1位:最短合格! 英検準1級 英作文問題 完全制覇(ジャパンタイムズ出版)

【特徴】 リニューアル後のライティング試験(意見論述・要約)と面接の両方を1冊でカバーできる、コストパフォーマンスに優れた一冊。特にライティングパートでは、高得点を取るための「型(テンプレート)」や、そのまま使える便利なフレーズが豊富に紹介されています。これにより、初心者でも論理的で説得力のある文章を構成する力が身につきます。

【効果的な使い方】 まずは本書で紹介されている意見論述の「型」を完全に暗記することから始めましょう。「導入→理由1→理由2→結論」という基本的な構成をマスターするだけで、文章が格段に書きやすくなります。その上で、様々なトピックの模範解答を何度も書き写し(写経)、自然な英語表現のストックを増やしていきます。要約問題については、重要なキーワードを見つけ出し、それらを繋ぎ合わせて自分の言葉で言い換える(パラフレーズ)練習を重点的に行いましょう。

学習期間別・レベル別おすすめ学習プラン

6ヶ月プラン(基礎からじっくり)

  • 最初の3ヶ月: 「でる順パス単」を中心に語彙力強化。並行して「総合対策教本」で各技能の基礎を固める。
  • 次の2ヶ月: 「過去6回全問題集」を解き始め、自分の弱点を分析。弱点分野は「分野別ターゲット」シリーズで集中的に補強。
  • 最後の1ヶ月: 「過去6回全問題集」の2周目、3周目を行い、時間配分を体に染み込ませる。ライティングと面接対策も本格化させ、毎日英語を書き、話す機会を作る。

3ヶ月プラン(標準プラン)

  • 最初の1ヶ月: 「でる順パス単」と「過去6回全問題集」を並行して進める。まずは過去問1〜2回分を解き、全体のレベル感と自分の弱点を把握。
  • 次の1ヶ月: 弱点分野の「分野別ターゲット」シリーズに着手。ライティング対策として「英作文問題 完全制覇」の型をマスターする。
  • 最後の1ヶ月: 過去問の残りをすべて解き、総復習。模擬試験として時間を計って解き、本番さながらの練習を繰り返す。面接対策も毎日行う。

技能別詳細攻略法

リーディング:語彙力と速読力が鍵

  • 語彙問題: 「でる順パス単」を完璧にすれば、確実に得点源になります。選択肢の単語もすべて覚える勢いで学習しましょう。
  • 長文問題: パラグラフリーディングを意識し、各段落の要旨を掴みながら読み進める練習が効果的です。時間を計って解き、速読力を養いましょう。

リスニング:シャドーイングで劇的に変わる

  • Part 1(会話): 日常的な表現だけでなく、ビジネスシーンで使われる表現も押さえておきましょう。
  • Part 2(パッセージ): アカデミックな内容が多いため、集中力が必要です。放送前に選択肢を先読みし、内容を予測する癖をつけましょう。
  • Part 3(リアルライフ): 留守番電話やアナウンスなど、状況を素早くイメージする力が求められます。
  • 効果的な学習法: 最も効果的なのはシャドーイングです。スクリプトを見ながら音声に続いて復唱することで、英語特有のリズムやイントネーションが身につき、聞き取れる音が格段に増えます。

ライティング:2つの形式を制覇する

  • 意見論述: 社会性の高いトピックについて、説得力のある意見を述べます。「導入→理由1→具体例1→理由2→具体例2→結論」という構成を基本に、論理的に文章を組み立てる練習をしましょう。
  • 要約問題: 与えられた英文の要点を、指定された語数でまとめる力が求められます。まずは本文のトピックセンテンス(各段落の主題)を見つけ、それらを自分の言葉で繋ぎ合わせる練習が効果的です。

スピーキング(面接):日頃からの音読が自信に繋がる

  • ナレーション: 4コマのイラストを、2分間で論理的に説明する練習が必要です。起承転結を意識し、接続詞を効果的に使ってストーリーを組み立てましょう。
  • 質疑応答: ナレーションの内容や、社会的なトピックに関する質問に答えます。自分の意見を明確に述べ、その理由を具体的に説明する練習を重ねましょう。日頃から「でる順パス単」の例文などを音読しておくことが、流暢さと自信に繋がります。

まとめ

英検準1級は決して簡単な試験ではありませんが、正しい戦略と適切な教材選び、そして継続的な努力があれば、必ず合格は見えてきます。今回紹介した参考書・問題集は、いずれも多くの合格者を輩出してきた実績のあるものばかりです。しかし、最も大切なのは、自分に合った一冊を見つけ、それを信じて徹底的にやり込むことです。

2024年度のリニューアルにより、ライティングの重要性が増し、より総合的な英語力が問われるようになりました。これは、小手先のテクニックだけでは通用しないことを意味します。単語を覚え、長文を読み、音声を聞き、文章を書き、そして話す。この5つの技能をバランス良く鍛えることが、合格への最短ルートです。この記事で紹介した情報を参考に、あなた自身の合格プランを立て、今日から学習をスタートしてください。あなたの挑戦を心から応援しています。

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