小学生の英検準2級対策 「中学の英文法を勉強すべきか?」

近年、小学生の英語学習熱が高まり、英検に挑戦する子どもたちが増えています。特に、英検準2級は高校中級レベルとされ、小学生にとっては大きな挑戦です。そこで多くの保護者が抱く疑問が、「英検準2級に合格するためには、中学で習うような難しい英文法を勉強する必要があるのか?」という点です。本記事では、この疑問に答えるべく、英検準2級の試験内容や小学生の合格実績、さらには各技能における文法知識の必要性を徹底的に分析し、小学生に最適な学習戦略を提案します。私自身も小学生への英検準2級対策に取り組んでおり、実際の指導経験から見えてきた学習の優先順位も交えてご紹介します。

英検準2級の概要:小学生でも合格は可能か?

英検準2級は、日本英語検定協会によると「高校中級程度」のレベルとされています。合格するには、一次試験で1800点満点中1322点以上、二次試験で600点満点中406点以上が必要です。

全体の合格率については、英検協会は公式な数値を発表していません。ただし、教育機関や塾のデータによると、おおよそ30〜40%程度と推定されています。いずれにしても決して簡単な試験ではありませんが、実際に小学生で合格するケースも年々増えています。私の教えている生徒の中にも、小学低学年で準2級に合格した例があります。これは、小学生でも十分に合格を狙えることを示しています。

ただし、準2級合格には約2,600~3,600語の語彙力が必要とされます。これは3級(約1,250~2,500語)の約2倍に相当します。このことからも、準2級合格の鍵は、高度な文法知識よりもむしろ豊富な語彙力にあると言えるでしょう。

中学英文法の壁:関係代名詞と現在完了形

中学校の英語でつまずきやすいとされるのが、中学3年生で習う「関係代名詞」や「現在完了形」などの複雑な文法項目です。これらの文法は、文の構造を複雑にし、長文読解や英作文で高度な表現を可能にしますが、小学生が完全に理解するには時間がかかります。

私の指導経験から言えば、小学生がこの段階の文法を完璧に使いこなす必要はありません。むしろ、中学1〜2年レベルの基礎文法をしっかり身につけることの方が、合格に直結します。

技能別分析:文法知識はどこまで必要か?

語彙力が合格の鍵を握る

英検準2級は4技能(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)のバランスが問われますが、その中でも特に語彙力の比重が大きい試験です。単語の意味が分からなければ、文法知識があっても文全体の意味を理解することは難しいためです。

リスニング:文法よりも「慣れ」が重要

リスニング問題では、複雑な文法よりもよく使われる表現を知り、音に慣れることが重要です。私が見てきた小学生の合格者も、文法の分析力より「耳の慣れ」で得点を伸ばしていました。

ライティング:定型文で高得点を狙う

ライティングは全体の3分の1を占めますが、難しい文法を使う必要はありません。
例:

I think playing sports is very important.
First, sports are good for our health.
Second, we can make friends through sports.

このように簡単な文の積み重ねで十分に高得点を取れます。実際に私が指導した小学生も、テンプレートを覚えて練習することで安定して得点できました。

リーディング:基礎文法で対応可能

長文読解では基本的な文法が役立ちますが、関係代名詞や現在完了を完全に理解していなくても、語彙と文脈から推測する力があれば対応できます。

小学生への具体的な学習提案

  1. 語彙力強化を最優先に
     単語帳・アプリ・カードを活用して、毎日少しずつ覚える。
  2. 基礎文法の定着
     中学1〜2年レベル(動詞の活用、時制、基本的な文型)をしっかり固める。
  3. リスニングは「多聴」で慣れる
     英検過去問題集などを使って耳を鍛える。
  4. ライティングは「型」を覚える
     テンプレートをもとに繰り返し書く練習。
  5. 発展文法は必要に応じて
     基礎が固まったら、関係代名詞・現在完了などに進む。

まとめ:小学生の英検準2級合格、鍵は「語彙力」と「基礎力」

結論として、小学生が英検準2級に合格するために、中学で習うような難しい英文法を無理に先取りする必要はありません。必要なのは、準2級レベルの語彙力・中学1〜2年レベルの基礎文法・日常的な英語への慣れです。

私自身も小学生への英検準2級指導を行う中で実感しているのは、「難しい文法にこだわらず、語彙と基礎文法を軸に学習を進めた子が着実に合格している」という事実です。保護者の方は、英語嫌いにならないよう配慮しつつ、まずは語彙力と基礎力を固めてあげることが、お子さまにとって最も確実で楽しい近道になるはずです。

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